「まぁ実際、タイプなんて関係ねーしな。
な、亜樹。」
そう言ったのはずっと黙ってた岳人。
「岳人もそういうこと言うんだね。」
「まーな。
最近全然タイプじゃない女を
好きになったやつ知ってるから。」
「へぇ、そうなんだ。
まぁでも私もそうだしなー。」
「美鈴ちゃん、可愛い系の顔より
クール系が好きっていってたもんね、ライブで。」
「ほんと、なんで貴也を好きになったのか。」
最初はあんなムカつくやつだったのにね。
「美鈴ちゃんはまだ彼氏好きなのー?」
「何その質問。
好きだからまだ彼女やってるんだけど。」
「そうだけどさー。
冷めたりしないのー?」
「たまに不安になったりもするけど、
昨日貴也の口から好きって聞いたから
今は全然。」
「会ったの?」
「会ってはないかな。
他の人との会話を聞いてたの。」
「あー、なるほど。
そういうことかー。」
たとえそばにいれなくても
ちゃんと気持ちは届いたから。


