居場所をください。




ポチ袋にはひとつひとつ名前も書いてきた。

さすがに全員同じ額にはできなかったから。


幼児もいるわけだし。


「はい、藍子。」


藍子は後半になってから来た。


「ありがと、美鈴~!」


うるさいし。


そして藍子の後ろには和也。


「……………はい。」


和也はそれを静かに受け取った。


「ほら、お礼言いなさい!」


藍子が和也の背中を叩いた。


「いってーな!

……………サンキュ。」


「どういたしまして。」


相変わらず仲はいいんだね。



「最後は優希だね。

優希にはこっち。」


私は優希に電車のおもちゃを渡した。

優希はもうすっかり大きくなった。


まだまだちっちゃいけどね。


「ママ、これいない二人の分ね。

で、ママにはこっち。」


ママには封筒を渡した。

もちろん、寄付。


「ごめんね。」


「なんで謝るのさ。」


「………ありがとう。」


ママは優しく微笑んで受け取ってくれた。