居場所をください。




「よ。」


おばさんに呼ばれたからか

すぐに出てきた亜樹。


「ごめんね、新年早々。」


「別に。

行くんだろ?」


亜樹はそういうと私から荷物を奪い

さっさと歩き出した。


「ちょ!待って!

おばさん、ありがとうございました!」


私はおばさんに頭を下げてから

亜樹のあとを追った。


「待ってよー。」


「母さんなんかほっときゃいいのに。」


「だってそのまま出てこれないもん。」


「律儀だな。」


私が隣にいくと、速度を合わせてくれる亜樹。


「年末年始、どうしてた?」


「別に変化なし。

岳たちといただけ。」


「ふーん、変わりなしか。」