居場所をください。




「そろそろ冷えてきたから戻ろう。」


「うん。」


座って30分眺めてた海を去り、

私たちは旅館へと戻った。


「綺麗な海だねー、ほんと。」


旅館に戻っても海を眺める私。


「俺が最後に家族旅行来たのもここだったんだよ。

俺んちも旅行とか全然行かなかったから。」


「へぇ、家族旅行か。」


「あ、悪い。」


「あぁ……ごめん、そんなつもりじゃなかった。

ごめんね。」


そんな思い出に私が入り込んでいいのかな。


「美鈴にとっては初めての

家族旅行だな?」


「家族?」


「え、ちげーの?」


「……ううん、そうだね。」


家族か、そうだよね。

兄妹だもんね。


「じゃあ忘れられないね。」


「いや、忘れんなよ。」


「もちろん!」


大切な思い出だよ。

私の宝物。