長曽我部さんはタブレットから目を離さず
淡々と喋り出した。
「俺は高校の時荒れてた。
で、補導されることもけっこうあった。」
「え、長曽我部さんが?」
「亜樹とつるんでるやつらいるだろ。
あいつらよりよっぽど俺の方が荒れてた。」
それは意外だ……そこまでやんちゃしてたとは……
「ケンカしては補導されて
夜中出歩けば補導されて
で、毎回俺を補導する女警察官がいた。
渋谷の交番勤務してた女警察官。
俺の母さんは俺に期待なんかしてなかったし
父さんは仕事仕事で
まぁ俺も孤独を感じてた時期があって
じゃっかんやけくそだった。
でもその女警察官は俺の話を聞こうとした。
いっつも俺にうざいくらいうざくて。
俺は大人なんて全て敵だと思ってた。
でもその女警察官だけはいつも俺の味方で
俺を見捨てなかった。
だんだん、そいつに補導されるのが楽しみで
夜中出歩くようにもなった。
タバコも酒も、そいつに補導されたくてしてたしな。
で、俺からコクったけど当時俺は16で相手は25。
警官が高校生と付き合うわけにはいかない
って思ってたのか知らねーけどフラれまくって
相手は絶対俺に気があるってわかってたし
まぁ押しまくってた。
で、なんでだめなのか話を聞いたら
そいつ子供がいたんだよ。」
「え、結婚してたの?」
「バツイチ。
そりゃ高校生なんかと付き合うわけねーかって思ったけど
俺はそれでもいいって言いまくって
高二の夏にやっとOK出たってとこだな。
当然だけど母さんは猛反対。
俺は跡取りなのに子持ちのバツイチなんて……
って感じでな。
まぁでも父さんはそこまで反対もしなくて
俺らは付き合ってて、子供とも仲良くて
けっこう順調で俺が大学でて結婚。
俺はもともと金もあったし
そこまで不自由はなかったよ。
子供がいてもな。」
「へぇ…。」


