「それに?」
「長曽我部さん以外に
信じたいって思えたの、貴也だけなんだ。
夏音とか高橋とか隼也とか
亜樹とか佐藤さんとか社長とか
私の周りには今たくさんの人がいるけど
貴也だけは特別なの。なんでかわからないけど
貴也は裏切らない気がするし、
守ってもらいたいし、守っていたいって思えるの。
貴也だけはね、なんか…気持ちが通じてるっていうか
ビビっときたものがあるの。
不安になることもあるけど、
それでも貴也しか、私にはいないんだと思う。」
あくまで、長曽我部さんを除けば、だけど。
長曽我部さんは格段に違う。
誰が一番大切か、で聞かれれば私は迷うことなく
長曽我部さんと答えるだろう。
そんなこと、本人には言ってあげないけどさ。
いつかちゃんと…心からありがとうと
言える日が来るといいな。
「他の男に言い寄られても?」
「うん。自信ある。」
「そ。それ聞いて安心したわ。」
「なにそれ。」
若干意味不明で笑ってしまった。


