居場所をください。




それから沖野さんの歌を歌ったり

長曽我部さんとおしゃべりしたりして

一時間ちょいでショッピングモールへ到着した。

時刻はまだ9時なのに駐車場はいっぱい。

みんな早いね。


なんとか地下に車を停めて、

私たちは開いたばかりの混雑した店内に入った。


「うわー、すっごい。

ひろーい。」


「はぐれんなよ。」


「子供扱いしないでよ。」


「子供じゃん。」


「言っとくけどね、

他人から見たらカップルだからね!」


そういう私は堂々と

長曽我部の腕を掴んでる。


「この手ははぐれないためじゃねーのかよ。」


「ま、万が一のため!」


「あっそ。」


もー、冷たいよ。なんだよ、ばーか。


「とりあえず美鈴の服からだな。」


「何着いるのかなー。」


過去に撮影で着た服は使えないから

新しい服を買わなきゃならないし

本当服が増えていく。