居場所をください。




そしておばさんが戻ってきて、

荷物を袋にいれて私たちは家を出た。


「タクシーで帰ろ。」


「珍しいな。

食ったあとは歩くんじゃねーの?」


「さすがにその荷物持たせて歩けないよ。

あ!ちょうどきた~。」


"空"だよね。よかった。

運がいいなぁ。


私はすぐにタクシーを拾い、

亜樹とタクシーに乗った。


「明日3時起きってまじなわけ?」


「まじです。

4時に長曽我部さんが迎え来るの。」


「へぇ、大変だな。」


「朝早いのは本当きつい~。」


まぁ化粧とかは全部やってくれるから

少し助かるけど。


「亜樹は冬休みだよね?」


「そ。でも進路のこともあるし

遊んでばっかはいられねーけど。」


「もう進路なの?」


「2年だからな。

いいよな、仕事してるやつは。」


「まぁ…そういう悩みはないかもね。」


でも大学とかいきたいなぁ…。

実際女優さんとかでも行ってる人いるし

行けないことはないよね。


「亜樹は頭いいし、

大学もいいとこ行きそうだよね。」


「具体的には決めてねーけどな。」


「あ、でも就職先はおじさんのとこでしょ?

貴重な跡取り息子だもんね。」


「継ぐ気ねーけど。」


「えぇ!困るよ!

私そこからCD出してるんだから!」


「だからその頃には自主制作だろ。」


「でも継ぎなよ。」


「お前に指示される覚えはない。」


「いとこだし客です。」


まったく。