居場所をください。




「……………長曽我部さんらしいや。」


どうせまた貴也に頼まれたんでしょ。

そうじゃなきゃ変でしょ。

長曽我部さんならいつだって私に

直接渡すチャンスがあったんだもん。


貴也…こんなの渡してきたって

許してあげないんだから。


何て思いつつ、私はにやけが止まらない。



「ね、それ履ける?」


おばさんに言われて私は

とりあえず足をいれてみた。


「…ぴったり。」


「えー!すごーい!」


「まぁ…長曽我部さんなら

私のことなんでも知ってるしね。」


勝手にデータ渡したでしょ。全く。

大事にしよう。部屋に飾ろう。


割れないように。


「なんか今さら出すの

なんか気が引けるけど…

これは俺から。」


そういっておじさんはまた

プレゼントを私に差し出した。


「ありがとう!

開けていい?」


「うん。」


私は包みを開けた。


「あ、カードケース!

欲しかったんだ~。ありがとう!」


「よかったー。」


おじさんはすっごく安心していた。


「よかったー、買わなくて。

ずっと欲しかったからすっごい嬉しい。」


「的外れだったらって不安だったよ。」


「ピンクですっごいかわいい。」


「お財布とお揃いの方がかわいいかと思ってね。」


確かに、ブランドも一緒でデザインもにてる。


「すっごいかわいい。

大事にします!」


「で、俺にはねーの?」


「亜樹にはない。」


「はぁ?まじかよ。」


「ふふ、残念でした。」