「……亜樹がそんなこと言うなんて珍しいね、随分。
私よりその子なの?」
「事実を言っただけ。
結局悠斗と仲良くする女が気に食わねーだけなんだろ?」
「なんだ、そんなこと?
なら私悠斗と関わるのやめるんでご安心を。」
ほんっとめんどくさい。こういう女。
「じゃあ帰ってくんない?
本当場違い。」
「は!?」
私が答える前に颯太が反応した。
「はいはい、わかりました。」
「えぇ!?ちょ、待った!」
「ごめんね、颯太。」
私はコートを持って立ち上がった。
「またね。」
私は颯太に笑顔で言って部屋を出ようとした。
「おい華。いい加減にしろよ。」
そういうのはいつもと雰囲気の違う声を出す颯太。
思わず私は振り返った。
「颯太…?」
華とか言う子も不安そうな声を出し、颯太を見た。
「それが仕事で疲れてる人に言う言葉かよ。
嫌ならお前が帰れよ。誰も呼んでねーよ。
勝手に来たくせに好き勝手言ってんなよ。」
……………颯太?


