「美鈴ちゃんってさぁ、弱点ないの?」
ハルが聞いてきた。
「優しくされるとすぐなつくとこ。」
「それ弱点なの?」
「騙されやすい気がする。
騙されたことないけど。」
「じゃあ好きな男も優しい男?」
「あー、まぁ。
優しいって言うか気を使えるって言うか。」
「似たようなもんでしょ。」
ユリ姉の呆れ声が聞こえる。
「ほかに苦手なものは?」
「あ、球技が嫌い。
ドッチボールとか。」
「あ、じゃあ今度みんなでやろ!」
「やだ。
ハル意地悪なんだね。嫌いになった。」
「えぇ!!嘘でしょ!」
「はは、嘘だけどさ。
でも鬼ごっことかの方がいい。」
「俺足遅いもん。」
「でも男じゃん。私より速いよ。」
「つーかみんなと遊べるときなんてないだろ。
それこそ、リハを早く仕上げるとか。
長曽我部さんに怒られそうだけど。」
「「確かに。」」


