居場所をください。



40分後ー


「ここが社長んち?」


「そうだよ。」


「広いねぇ…。」


さすが社長だ。


「ほんとは上がってってほしいとこだけど

どこで誰が見てるかわからないし

今日はここまでか。


美鈴ちゃん、今日はありがとね。」


「こちらこそ、ご馳走さまでした。」


「なんだか他人行儀みたいでやだ。」


やだって…


「父さん、ガキみたいなこと言ってねーで

さっさと降りろよ。

小雪、待ってんじゃねーの?」


「そうだったな。

じゃ、また。次は会社で、かな。」


「うん。

おやすみなさい。」


「おやすみ。」


そういって社長は降りていった。


「小雪って、社長の彼女?」


「は?ちげーよ。彼女とかいねーだろ。」


「え?でも前彼女と一緒に住んでるって…」


「あぁ、たぶんそれ小雪のことだけど

正確には彼女じゃなくて猫。」


「猫ぉ!?」


「俺猫アレルギーなんだよ。

本当は猫が好きなんだけど

俺がいたからずっと飼えなくて

俺が出てってすぐ飼いだしたんだよ。」


「なんだぁ…そんなこと…。」


もー、彼女じゃないじゃん!

社長のウソつき!!