「ほんとにばれなかったね。」
「だろ。余裕。今も普通に歩いてるし。
バレても少人数なら別に良いし。
集まられるとだるいけどな。」
「大変だね、芸能人って。」
「いや、美鈴もそうなるし。」
「私もばれないよ。」
「どうだろうな。
美鈴ってどこの高校通ってた?」
「そこ。」
「え、ここ?」
「うん。第一高校。」
歩いてたらいつの間にか第一高校のすぐ近く。
近くにこんなお店があったなんて。
「へー、案外近いんだな。
美鈴がいたとこって。」
「まーね。
施設もここら辺だし。」
「会いたくないやつとかいる?」
「いっぱいいるよ。」
私はもう、あの頃に戻りたくないくらいなんだから。


