居場所をください。




『も、戻ってくるならさ!

離れるなんて、関係ないんじゃない?』


「わかった。」


小林くんがなにも言う前に

栞奈が言った。


「もう一度言う。

私待てるから。

だから、彼女にしてください。」


栞奈はもう一度強く言った。

大勢の前で、一度断られたのに

また想いを告げる栞奈はすごい。


「だって私、もう10年も親を待ってるんだよ。

数年くらい、待てるよ。」


……………そうだね。

その気持ちはわかるよ、私も。


「……………俺はそんなに待たせないよ。」


「え…」


「高校卒業したら戻ってくるから。

だから待たせるけど、俺の彼女として

待っててください。」


『や、ったぁ!

やったじゃん栞奈!』


「美鈴ちゃん、知ってたんでしょ。」


「え。」


「小林の気持ちも知ってたんでしょ?」


「…ごめんね?」


「でも、おかげでちゃんと言えたし。

ありがと。」


栞奈は涙ぐんでそう言った。