「それからは女優さんのメイクのアシスタントをしてて
そんなとき美鈴ちゃんが来て、長曽我部さんが
美鈴ちゃんの専属になってほしいって言ってきたの。
私なんか下っ端だし、まだまだだから
私には無理って思ったんだけどね
美鈴ちゃんには優秀なメイクさんをつけたいから
って頭下げられて、承諾したの。
この人は芸歴とか、そういうの関係なしに
ちゃんとその人を見て判断してくれてるんだなって。」
「…それだけじゃないよ。
佐々木さんがいつも一生懸命だからだよ。
長曽我部さんは努力する人にしか
手を差しのべない人だから。」
「ううん、それだけでもないよ。
初めて美鈴ちゃんにメイクしたとき
私はまだ美鈴ちゃんの専属じゃなかった。
でも、美鈴ちゃんが私のしたメイクに喜んだから。
きっとそれを見て、長曽我部さんは私に決めたんだよ。
ヘアメイクもね。
長曽我部さんは美鈴ちゃん基準だから。」
「なんで私基準?」
「誰よりも努力してるからでしょ?」
……………それだけかなぁ。
その長曽我部さんの気持ちに
兄が妹にしてあげたいという気持ちは
全くなかったのだろうか。
「美鈴ちゃんのおかげで私もアシスタント卒業。
美鈴ちゃんのおかげで私の夢は現実になったの。」
「じゃあどこからヘッドハンティングされても
ずっとここにいてね?」
「もちろん。
長曽我部さんに降りろって言われるまで
ずっと美鈴ちゃん専属だよ。」


