居場所をください。




「佐々木さんは彼氏いる?」


「はは、結婚してるよ。」


「えぇ!?そうなの!?」


「うん。子供もいるしね。」


「うっそ!何歳?」


「10歳。小4だよ。」


「えぇ!?でも佐々木さん

今年26になったんだよね?」


去年25歳っていってたし…。


「そ。16で産んだからね。」


「えー、すごい…。」


「18のときに高卒資格を取って、

同い年の子たちより1年遅れて

メイクの専門に入ったの。

この仕事がずっと夢だったから。」


「じゃあ夢叶えたんだ。

すごいね。」


「でもね、妊娠がわかったときは

諦めたりもしたよ。

やっぱりそんな余裕もないしね。」


「じゃあなんで?」


「子供が2歳の時かな。

お喋りが上手になった頃、子供に言われたの。

お勉強してるママ、かっこいいねって。

それに自分の親にも言われたの。

子供がいたって夢を諦めるなって。

簡単に諦めるなって。

だからとりあえず専門に入ったの。

でも全然就職決まんなくって。

私はどうしても芸能界のメイクさんになりたかった。

でもブライダルとかしか内定とれなくて

また諦めようとしたんだけどね、

そんなときまた子供に言われたの。

夢を追いかけるママはステキだねって。

それで、簡単に諦めないって親に誓ったこと思い出して

諦めずにテレビ局や芸能事務所とか受けてたの。

でも卒業前にあったコンクールで

長曽我部さんに声をかけられたの。

うちで契約しないかって。」


「長曽我部さんに?」


「うん。私も長曽我部さんに拾われたの。」


そうなんだ。

長曽我部さんが…。