「…佐藤さん…。
ここ女子トイレだけど。」
「入ってないし。覗いてるだけ。
それに、ドア開けてそんな声で話してたら
嫌でも外に聞こえるしね。
俺は美鈴ちゃんのマネージャーだから
放っておけないよ。」
「…ありがと。」
「君、後藤プロの子でしょ?
うちの子に変な言いがかり言うのやめてくれる?」
「どうして私のこと…」
「あぁ、今君の元カレに聞いた。
後藤プロで仕事がもらえないからって
他のタレントに当たるのは間違ってるでしょ。」
「別にそんなつもりはないけど。」
「美鈴ちゃんが同情で売れたと
本気で思ってるの?」
「もちろん。」
佐藤さんの質問に
白石さんは胸を張って答えた。
「じゃあそれ間違ってるよ。
俺、美鈴ちゃんに両親がいたとしても
美鈴ちゃんのファンやってるもん。」
「颯太…」
「だけど、辛い経験があったから
美鈴ちゃんの歌詞は重みがあるんだよ。
俺は美鈴ちゃんに親がいないって知る前から
美鈴ちゃんのファンやってるけどね。」


