居場所をください。




「それより美鈴ちゃん!

それお土産!」


そういって颯太が私に

小さな紙袋を渡した。


「お土産?なんの?」


「修学旅行!」


「あぁ、そうだったね。

ありがと。


どこ行ったの?」


「ハワイ~。」


「へぇ、すごいね。

開けていい?」


「もちろん!」


私は袋を開けた。


「あ、かわいい。

貝殻のピアスだ~。」


白く輝く、控えめのピアスだった。


「ありがと。」


「でも美鈴、穴開いてなくね?」


「えぇ!!」


「ちょっと高橋。

余計なこと言わないの。」


「ご、ごめん!」


「いいよ、ありがと。

ピアス開けたいな~と思ってたし。

颯太がこれくれたから

やっと決心できたよー。」


「ほんと?」


「うん!

だからありがとね。」


私が笑顔でそういうと

颯太は安心したかのように笑った。


「よかったー。」


「穴開けてからピアスできるようになるまで

だいたいどのくらいかかるの?」


高橋に聞くと


「まぁ一ヶ月は触らない方がいいんじゃね?」


「へぇ。」


「まぁ自分で調べろよ。」


「でも次の夏にはつけられそうでよかった。

颯太、大事にするね。」


「やべー、俺今めっちゃ幸せ。」