居場所をください。




「…高橋。店番は?」


「こいつらのでけー声、1組まで聞こえたから。」


…だから店を抜け出してきた、と。


「散々美鈴を傷つけてきたのに

今は随分と態度が違うんだな。」


「…高橋いいよ。

クラス戻りなよ。


夏音もいこ。」


前の私には戻らない。

戻りたくない。



私はまたふぅー、と息を吐き

女の子たちを見た。


「もちろん覚えてるよ。

後藤さんに、秋川さんに、橋本さん。」


ちゃんと目を見て、仕事モードで

3人に返事をした。


「それじゃ、私は仕事中だから。

バイバイ。」


私は夏音の手を掴んで

ポカーンとする3人から離れようとした。


「あ!いた!美鈴ちゃーん!」


そんな私たちの行く手を阻んだのは

赤い髪の毛をした颯太。