居場所をください。




「友達二人は顔出し大丈夫?」


編集部の方が聞く。


「俺は大丈夫です。」


「私も。」


「よかった。」


さっき、めっちゃ撮ってたもんね。

夏音が私に抱きついてるとことか。


「ごちそうさまでした。」


食べるのは私が一番遅い。

いつもそうだけど

長曽我部さんによく噛めって言われてから

私は食べるのが本当に遅くなった。


ま、これでいいみたいなんだけどさ。


「じゃあ美鈴、一緒に回ろ!」


そう言って私の腕を掴む夏音。


「高橋はー?」


「俺まだ店番中。」


あ、やっぱそうなのか。


「じゃあまたあとでね。

夏音いこ!」


私たちは1組から出て

とりあえず夏音のクラスへと向かった。


「夏音、店番は?」


「私はもう終わったよ!

美鈴が来るの知ってるのに

遅い時間にしたりしないよ~。」


「そっか、ありがと。

落書きせんべいなんて初めてだよー。」