居場所をください。




「あ、五十嵐!暇ならバイト入れよ!」


「あ、店長ごめんね。

今日は暇じゃないや。」


レッスンが忙しすぎて

私は今バイトをやめようか悩んでいる。

そんな体力は私には残っていない。


「ったく。仕方ねーな。」


私たちは部屋へ入って歌を歌った。


「……………なんか美鈴の歌

レベルアップしてね?」


「え、ほんと?」


「あぁ、かなり。」


ならよかった。

レッスンの成果かな。


「美鈴のあとじゃ歌いにくいよ!」


「大丈夫だよ。

高橋はどんな夏音でもでれでれだよ。

気持ち悪いくらいに。」


「うるせーよ、黙れ。」


「でもよかったね、高橋。

正直異色すぎて変な感じだけど。」


「うるせーよ。」


「でも高橋みたいな方が逆に安心。

夏音の事守れそうで。」


「おう、それはもちろん。」


「はは、本当に幸せそうで気持ち悪い。」


「……………へぇ、お前も笑うんだな。」


「え?」


「ずっと冷めてたから。」


「私も面白いことがあれば笑うよ。」


「じゃあ俺が面白かったのかよ。」


「うん、まーね。」