居場所をください。




「美鈴~!」


そう言って私に抱きつく夏音。


「夏音~!」


あ、ちょうどいいかも。


「今日は1日仕事モードで演じるから

ちょっと違和感あるかもだけど

気にしないでね。」


と耳元で夏音に言った。


「はは、オッケー。」


「美鈴、カレー食べてけよー。」


「うん、もちろん。」


私がテレビモードで答えるから

高橋は一瞬固まった。


「佐藤さんも食べよ。」


「俺も?」


「うん!みんなで!

編集部の皆さんも。」


といっても編集部の人は二人だけだけど。


「高橋、なにあるのー?」


……………って高橋は今店番の時間なのかな。

高橋に聞いていいのかな。

かといって他の人に話しかけられない。


「…カレーライスとカレーうどん。

あとナンもあるよ。」


「ナンってここで焼いてるの?」


「いや、市販。」


市販かよ。


「ご飯とかうどんは?」


「ご飯は炊いてるし、うどんも茹でてる。」


「ならカレーライスにする。

佐藤さんたちは?」