居場所をください。




「お待た~。」


やっとピザだ。

俺も腹へったわ。


「あー!めっちゃ腹へった!」


「悠斗うるせー。」


悠斗は真っ先にピザを食べた。

ってことで俺も一切れ取った。


「颯太はさ、親の会社継ぐ?」


俺は颯太に聞いてみた。

ずっと気になってたから。


「んなわけねーじゃん!

親が決めたレールの上なんか走れるかよ。」


「やりたいことでもあんの?」


「ま、それはないんだけどね~。」


ふーん。


「亜樹は?」


「俺?」


「たしか亜樹んちもなんかやってたよな?」


「まぁ。

物作って売ってる。」


「なにつくってんの?」


「それ。」


「は?」


「だからそれ。」


「美鈴ちゃんのCDじゃん。」


「だからそれだっていってんじゃん。」


「……………えぇ!

まじかよ!これ亜樹んちのなのかよ!」


「颯太も立派なうちの客だな。」


「まじかよ!いいな!

じゃあ継げよ!」


「なんでだよ。」


「潰れたら美鈴ちゃん、

CD作れねーじゃん!」


「うちで作ってんのも今だけだろ。

そのうち自主制作になる。」


「なにそれ。」


「自分で金だしてCDを作る。

その代わり利益も増える。

レコード会社仲介しないから。」


「へー、じゃあ美鈴ちゃんなら

すぐ自主制作になるのかな。」


「知らねーよ。」


興味もねぇ。