「でもなんで心配?
別に亜樹は美鈴ちゃんを殴らないでしょ。」
颯太が言った。
「俺の殴った理由が女だったから、だろうな。」
「女?亜樹が?」
「そ。」
「つまり、美鈴と関わって
美鈴が理由で亜樹が誰かを殴って
それがバレると美鈴に悪影響、ってところか。」
悠斗が言った。
「でもさー、それなら朔也だって
美鈴ちゃんのために殴ってるじゃーん。
美鈴ちゃんのためなら
俺も喜んで殴っちゃうけど。」
「なんで亜樹だけなんだろうな?」
「身内だからってのもあるんじゃねーの。
亜樹みたいのが身内にいると不利だとか。」
…それに俺が事件起こしてバレると
親父の会社にも悪影響だからってのもあるだろうな。
しかも美鈴も親父の会社から出してるらしいし。
「大人の世界ってめんどくせーなー!」
「颯太うるせーよ。」
「あー!それより美鈴ちゃんの新曲
今日届くんだった!やべー、楽しみ!」
うるせーって。
「つーか発売日明日じゃねーの?」
悠斗も詳しいな。
「ファンクラブ会員は前日に届くんだよ!」
「お前、ファンクラブまではいってんの?」
「当たり前だろ!俺のファンレベルなめんな!」
いや、威張るところじゃねーし。
「俺も美鈴ちゃんと同じ色にしよっかなー。
髪の毛。」
「さすがにきもい。」
「亜樹はひどい。」


