居場所をください。



『プルルル…

もしもし!』


「あ、夏音?今暇?」


『うん、暇だけどどうしたの?』


「今高橋と近くのショッピングモールにいるんだけど

夏音も来ない?家近いじゃん?」


『うん!行く!!すぐいくね!』


そういって電話が切れた。


「夏音来るってさ~。」


「え、俺ここで告んの?」


「テラス移ろ。人いないし。」


それからしばらくして夏音から電話が来て

場所を教えると夏音もテラスへ来た。


「ごめんね、急に呼び出して。」


「美鈴からの誘いなら大歓迎だよー!

ってか痩せたね!貴也くん元気!?」


「貴也?元気じゃないかな~。

来週からドラマ始まるでしょ?

その撮影で忙しいってさ。」


「舞台もあるのに大変だね~。」


「そうだねー。

でも全然会わないからよくわかんないや。」


「え、そうなの?」


「うん。全然だよ。

ってかね、高橋が話あるんだって。」


もうめちゃくちゃな振り方だけど

貴也の話なんかしてる場合ではない。