「ま、引っ越したくなったらいつでも言えよ。」
「ううん、今のままでいいよ。
ここにも近いしコンビニもスーパーも近いし
渋谷も近いし。駅は遠いけど不便ないよ。」
ずっとあそこでいいくらい。
「そういえば社長ってどこに住んでるの?」
「ひかるのマンションの近くだよ。」
「一軒家?」
「そうだよ。」
「二人とも一人なんでしょ?
一緒に住めばいいのに。」
「いや、俺は彼女いるよ。」
「えぇ!?うそ!」
「いいだろ、何歳になっても恋はしてたいんだよ。」
「長曽我部さんとは大違いなんだね…。」
「あいつも結婚するまではそれなりにあったけどな。
離婚して懲りたんだろうな。」
「離婚かぁ。」
「ま、あいつは仕事人間だしな~。」
「社長から見ても?」
「うん。
もっと女遊びすればいいのに。」
「いやいや、遊んじゃダメでしょ。
それはやだよ。
長曽我部さんが女遊びひどかったら
私ショックなんだけど。」
コンコン…
お?
「失礼します。」
「あぁ、ひかるか。」
「ちょうど今長曽我部さんの噂してたよー。」
「どんな?」
「女遊びしないでって話。」
「は?しねーよ。
そんな話してる場合かよ、二人して。
それより連れてきた。」
「は?」
誰を?


