居場所をください。




……………あれ?


「もしかして親のことも?」


「まーそこまで考えてはねーけど。」


「そうですか。」


「でも、お前の曲聴いてたらわかる。」


またお前に戻ってるし…。


「え、私の曲聴いたの?」


「颯太がうるせーからな。」


「あぁ、なるほどね。」


亜樹が聞きたくて聞いたわけじゃないのか。

そりゃそうだよね。


「さてと、帰るわ。」


「あ、本当に帰るんだ。」


「なに、まだいてほしいわけ?」


「うん。」


「あのなぁ、俺も男。

少しは警戒しろよ。」


「だって亜樹だし。」


「どんだけ信用してんだよ。」


「っていうかみんな平気だよ。

女に困ってないでしょ?」


「そういうことか。

まぁ俺なんか女に興味ないしな。」


「そういいながら普通に好きな子作るんでしょ。」


「うるせーよ。」


まぁ亜樹らしくていいけどね。


「じゃ、本当に帰るから。」


「うん。

今日はありがとね。

映画付き合ってくれて。

焼肉も。」


「おう。

じゃーな。」


そう言って亜樹は帰っていった。



亜樹は…過去の彼女のことがあるから

承諾なしにそういうことするとは思えないから。


だから亜樹なら大丈夫。

自信あるよ。