「あっそ。」
亜樹はそう言って立ち上がった。
「なら、お前の彼氏はかわいそうだな。
彼女に会いたいと思われてなくて
違う女とキスしてる彼氏みても平然とされて
そのうえ違う男部屋に連れ込んで。
お前、もう好きじゃねーんじゃねーの?」
「え…ち、ちがう!」
思わず私も立ち上がった。
「彼氏が違う女に走ったから
お前も俺を誘う気かよ。」
「ちがうってば!」
「何が違うんだよ。
今のお前に説得力なんかねーよ。」
「…好きだよ。」
「は?」
「会いたくて…
貴也に会いたくて仕方ないよ!
好きなのに…会いたいのに…
今すぐにだって会いたいよ。
でも無理だよ。会いに行けない。
貴也の想いを知ってたら
会いになんか行けない!
だからずっと我慢してきたのに
どうして思い出させるの!?
ずっと思い出さないように
なにも口にしないでいたのに…
思い出させないでよ!」
私はずっと我慢してきた
想いと涙が溢れ出た。


