居場所をください。





「さーて、テレビでも見よっかな。

9時か、なにやってるかなー。」


私がそういうと

亜樹が近くにあったリモコンでテレビをつけた。


「……………あ。」


テレビ画面にはいきなり

貴也と大橋さん。


「そういえばコメントは出さないって

長曽我部さん言ってたな~。」


いいなー。

私も貴也に…なんて。

だめですね。



「お前さ、本当は泣きたいんじゃねーの?」


「え?」


亜樹はテレビを消した。


「辛いなら辛いって言えよ。

会いたいなら会いたいって言えばいいじゃん。

会えなくても、言うだけならタダだろ。」


「…別に。

辛くなんかないよ。

今は今で楽しいし。仕事も充実してるし

藍子ともまぁ仲良くなれたわけだし

岳人とか亜樹とか、新しい友達が出来て

隼也がいて、咲さんもいて愛翔くんもいて

今は今で楽しいから。


だから、大丈夫。」