居場所をください。




「ありがとうございました。」


お店に入って30分、

最後の最後で迷いまくって

私たちはやっとお店を出た。


「もうすぐ冬だね~。

冷えてきた。」


「そうだな。」


「でも冬って一番好き。

早く寒くなんないかな。」


「なんで?」


「んー、なんか幸せ増えるじゃん。

暖かい布団とか、お風呂とか。

あと肉まんとか焼きいもとか鍋とか。

ちょっと切ない感じがまた好き。


しかも冬が一番痩せやすいんだよ。」


「へー、どうでもいいわ。」


「…スープも美味しい時期だしね。」


貴也のスープ、なんでも美味しいしね。

冬に…飲んでみたかったな。

来年は一緒に飲めるのかな。


「……………帰るぞ。」


「あ、うん。」


私たちはすっかり秋めいた街を

歩き出した。