居場所をください。




10分後ー


「はい、3,000円もあれば足りたはず。」


「ごめんね、私がきたいって言ったのに

ご飯もご馳走になってタクシー代まで…」


「全然いーよ。

またおいでね。」


「じゃあまたね。」


「またね。」


栞奈が帰るのを見届けて

私は部屋に戻った。


小林くんねぇ。

どんな子なんだろ。


いいなぁ、高校生だねぇ。

って、私も高校生か。


彼氏もいたんだ。

……………会わなすぎてたまに忘れちゃうよ。


貴也…いつ帰ってくるんだろ。

おばさん、体調どうなんだろ。


まだ元気なのかな。

もう辛いのかな。


年は越せないんだっけ…じゃあもう…。


貴也が戻ってくるときはおばさんは…。



おじさんが亡くなって

おばさんも亡くなったら


貴也は一人ぼっちになるんだ。