居場所をください。




「…でも小林は美鈴ちゃんのこと大好きだから

きっと安定したファンってやつになるよ!」


「はは、それはありがたいね。」


「美鈴ちゃん、ママにCDあげてるでしょ?

この前美優ちゃんにおさがりだけど

ウォークマンもらって、美鈴ちゃんの歌

ママのパソコンでいれたの。

それをこの前学校で聴いてたら小林が

何聴いてんのー?ってイヤホンひとつとったの。

美鈴ちゃんのおかげで話もできたし

休み時間終わるまで近くにいれたんだ~。」


「へぇ、よかったじゃん。」


思ったよりいい感じじゃん。

ひとつずつイヤホンを一緒に使うなんて。

そんなの、どうでもいい人にする?

貴也なら絶対やってくれないよ。


「って!もう21時!

栞奈帰らなきゃだね!

タクシー呼ばなきゃ。」