居場所をください。




「美鈴ちゃんはすごいねぇ…。

やっぱりそのくらい努力してるから

芸能界生きていけるんだろうね。」


「私の努力だけじゃダメだよ。

事務所の力も必要だし

運とタイミングも大事だと思うしね。


マネージャーが頑張って仕事とってきてくれるから

私は仕事できてるわけだし。」


「でも美鈴ちゃんの実力でもあるでしょ?」


「どうかな。

やっぱ宣伝力がすごいのもあるよ。

マネージャーには

テレビに出なくても売れるようになれ

って言われてるしね。

私は歌手だから、いつかはテレビなんか

頼らなくても生きていけるようにって。」


「あぁ、確かに売れてる人って

あんまテレビでないもんね。」


「でしょ?

自分プロデュースのライブとかして

それで稼げていけるから

縛りの多いテレビには出なくていいんだよ。

テレビって華の世界って思われがちだけど、

実際は自分に嘘ついて、仮面張り付けて

自分を演じてるだけだから。」


「美鈴ちゃんはテレビ嫌い?」


「嫌いっていうか疲れる。

私はまだ一回しかライブしてないけど

ライブの方が断然楽しい。

だから早く私もその段階に行きたいよ。

早くファンが安定しないかなぁ。」