居場所をください。




「……………手首、大丈夫か?」


「うん、大丈夫。

もうほとんど痛くないし、強くついただけだよ。」


「そ、ならよかったな。」


「貴也ってさ、なんだかんだ優しいよね。」


「は?俺は最初っから優しいわ。」


「それは嘘だね。」


「うるせーよ。」


「ま、私のことは認めてくれたってことだよね。」


「調子乗んな。」


ふふ、でも私とは最初から話してくれてたし

私には本当に最初から優しかったのかもだけど。

自惚れかな。


「なににやけてんだよ。」


「ふふ、なんでもない。

私こんな笑う人じゃないのに。」


「あっそ。」


「つめた。」