居場所をください。




……………ふふ、にやけが止まらない。

私これどんだけ好きなんだか。



「いただきまーす。」


私は一口スープを飲んだ。


「………っ!!」


これ……………。



「…おじさんが持ってきてくれたんだよね?」


「え?うん。」


「……………そっかぁ。」


私はもう一口スープを飲んだ。


「…はは、亜樹ごめん。

これあげられないや。」


「……………どうした?」


私はもう涙が止まらなかった。

その味が懐かしくて仕方なかった。


「ごめん…美味しくて…。」


何度も何度もここで飲んでた私が

絶対間違えない。


マスターの味じゃない。



これは、貴也の味だ。




「…ここに来るの、バレバレかぁ…。」