「なんでお前がこっち来んだよ。」


小声で亜樹に言う。


「お前がセクハラしてるから。」


「は?ちげーし。」


「俺は全然ぶつからねーけど。」


「……………うるせーよ。」


「やってること、和也ってやつとかわんねーぞ。」


「うるせーよ。

あそこまではしねーわ。」


「ふーん。」


俺は絶対美鈴を傷つけねーよ。

絶対にな。


「ただいまー!」


そこに颯太が来た。


「美鈴ちゃん!俺にもできることない?」


「じゃあ買ってきたたまご、

ボールにわって、かき混ぜてくれる?」


「俺たまごすらわったことないや。

教えてー!」


「えぇ、うそ。

簡単だよー。コンコンってぶつけて、

割れたらここで中を落とすだけ。

強すぎるとつぶれちゃうからね。」


「えー!その力加減わかんないんだけど!

一回ちゃんと教えてよ!」


「仕方ないなぁ。

じゃ、卵もって…で、このくらい。」


と美鈴は颯太の手を握って

力加減を教えてるけど……………


「あれはどうなんだよ。」


「……………あいつ、ばかなわけ?」


「ばかなのかもな。」


卵割れないなんて嘘に決まってんじゃん。

手なんか握ってんじゃねーよ、くそ。