居場所をください。




「なぁ、美鈴。

こいつだけじゃねーんだろ?」


「……………うん。」


「じゃあもっとしっかりやんねーとじゃねーの。」


「……………そうだね。

ママに話してくる。」


私は栞奈の部屋を出て

ママの部屋へ向かった。


コンコン……………


「はーい。」


「ごめん、美鈴。

ちょっといい?」


「入っていいよ。」


私はママの部屋へ入った。


「どうしたの?」


「あのね、お願いがあるの。」


「お願い?」


「……………男女の生活空間を

きっちりわけてほしい。

一階と二階とか。

二階を女の子のスペースにして

カギがないと行けないようにするとか。

それと、女の子の部屋にはカギもつけてほしい。

お願い。じゃなきゃここの女の子たち……

安心してここにいられないよ。」


「……………そうね…。」


「お金なら私も出すから

早く対応してほしい。

……………さっき、栞奈が和也に襲われてた。

だから…お願い。」


「私も前々から考えてたの。

美鈴の事もあったし…美鈴がいた頃から

ずっとお金をそれように貯めてきたの。

美鈴が寄付してくれてたお金も。

だから、ちゃんと女の子を守ってあげられる家にする。

安心して。」


「ほんと!?」


「うん。

もうあとは業者さんに頼むだけだから。」


「よかったー…」


本当によかった。

本当に…本当に……