居場所をください。





「どーぞ。」


私は鍵を開けて招き入れた。


「ひろっ。」


「玄関はね。

そのスリッパ使っていいよ。

貴也のだけど。」


「……………いや、他にねーの?」


「ない。

まぁ履かなくてもいいけどね。」


「じゃあ靴下のままで。」


さすがに彼氏のはなしか。

まぁ全然いいけど。

長曽我部さんもスリッパなしだし。


「つーか普通に広いじゃん。

あいつらも入れたんじゃねーの?」


「だって悠斗と颯太が来たら絶対うるさいもん。

どっちかだけならまだしも。

エレベーターだって7人乗りだし。

男5人に私と藍子、栞奈じゃ定員オーバー。」


「なるほどな。納得。」


「ま、お茶でも飲んで待ってて。

荷物詰めるし。

テレビも勝手に見ていいからー。」


それだけいって私は寝室に入った。