居場所をください。




「へー、さすがいいマンションに住んでんだな。」


タクシーで10分ほどでマンションについた。


「ま、家賃は私払ってないけどね。

えーと、カギカギ…」


「じゃあ誰が払ってんの?」


「お父さん。」


私はバッグから鍵を取りだし

エントランスを開けた。


「へぇ、父親か。

一緒に住めないから?」


「まぁそんなとこ。

こっちね。」


私は亜樹とエレベーターに乗る。

なんかすっごい変な感じだ。


でも、なんか前よりビクビクしない。

貴也で慣れたのかも。


そしてすぐ4階についた。


「こっち。」


エレベーターから遠い角部屋。

そこだけが難点だ。


「ここでーす。」


「いいから早くして。」


…冷めてるね。