居場所をください。




「でね!私、ずっとお小遣い貯めてきたし

化粧とかしたことないから

化粧品買ってやってみたいの!

教えてくれない…?」


「うーん、でも私より藍子の方が

そういうの得意じゃないかな?

私なんてしてもらうばっかりだし。


それに化粧品なら私あげるよ。

仕事でいっぱいもらうの。

だからお小遣いはうまくいったときの

デート費用とかにしなよ。

彼氏できるとお金もかかるしね?」


「いいの!?」


「うん、いいよ。

今度藍子と私のマンションおいでよ。

泊まりおいで!って言いたいところだけど

うち布団とか余分にないから泊まれないけど…」


「でも美鈴ちゃん、時間あるの?」


「……………じゃあ今からうち来る?」


「行きたい!!」


「なんで颯太が反応するの。」


「俺も行きたい!」


「でもそんな入れないというか

狭いし……。」


「じゃあ藍子がまだ宿題やってるし

俺と亜樹だけ!」


「でも藍子が来ないんじゃ

家来る意味ないし。」


「じゃあさ、私ここで待ってるから

美鈴ちゃんが取りに行くとかは?」


栞奈が言った。


「あ、うん。それでもいいよ。

そーだ。私着ない服とかもあるし

それも持ってくるよ。」


「じゃあ俺荷物持ちになるしいく!」


「颯太はどこまでも家に来たいんだね。」


「えー!颯太くんまだゲームの途中だし

行っちゃダメー!」


「次僕と対戦するんでしょー!」


「はは、颯太人気じゃん。

いいよ、亜樹連れてくから。

颯太はここで遊んでなよ。」


「俺かよ。」


「えー!俺も行きたいのにー!」


「また今度来ればいいじゃん。

藍子が終わるまでに戻ってくるから。

亜樹、行こ。」


「……………俺は強制かよ。」


「だって服とか量多いかもだし。」


「…しかたねーな。」


「じゃあ次は絶対俺だからねー!」


私はタクシーを呼んで、

タクシーに乗ってマンションへ向かった。