居場所をください。




「でも栞奈がここに来るなんて珍しいね。」


「うん。美鈴ちゃんに相談があって。」


「相談?」


「実はね、私好きな人いるの。」


「…えぇ!嘘!

え、誰々?私知ってる?」


「あの…同じ中学で私と同い年の小林雄太…

覚えてる?」


「小林雄太……………

あー!陸上部の!知ってる!

へぇ…いいじゃん。可愛いし。」


「でね、高校も一緒なの。」


「高校どこ?」


「第一高校。」


「えぇ!一高?」


「でね、小林って美鈴ちゃんのこと

好きっぽいんだよね…。」


「え、私?でもそれって

歌手の私でしょ?」


話したこともないし。


「まぁそうなんだけど…

しかも美鈴ちゃん一高の文化祭来るでしょ?

それですっごい盛り上がっててさー…」


「まぁでも私はテレビの中の人で

現実とは違うじゃん?」


「でもね!できれば美鈴ちゃんの

お近づきになりたいというか…

私、美鈴ちゃんみたいになりたいんだ。」


「でも栞奈はそのままでもいいと思うけど。

十分かわいいよ。」


「でも美鈴ちゃんだって十分可愛かったのに

今はさらに可愛いし。」


「まぁ恋は女を変えるっていうし

自分磨きにはいいチャンスだと思うけどね。」