「ねぇ、朔也が殴ったってなんで?
和也って誰?」
颯太が聞いてきた。
「んー、和也もここの住民。
私がここにいるとき和也に抱かれてた。
私はそれが嫌で仕方なかった。
ここを出てやっと解放されたと思ってたのに
結局また和也に捕まった。
ホテルに連れ込まれそうになったときに
隼也と貴也が来てくれて
隼也が和也を殴ろうとしたのを朔也が止めて
代わりに朔也が和也を殴ったの。
終わり。」
「……………俺が100発くらい殴ってあげる!」
「颯太も殴ったりするの?」
「えー、全然するよー?」
「そんな普通に怖いこと言わないでよ。」
「こういうとこにもそんなやついるんだな。」
亜樹が言った。
「いっぱいいるよ。
……………今は5人くらいかな。」
「じゃあ藍子も…?」
「どうだろ。わかんないけど
帰りたくない理由がそれだったら
悪いことしちゃったな。
かといって帰さないわけにもいかないし。
だから、岳人とか朔也が今一緒にいるし
少しはそれで制御されればいいのに。」
「もし藍子がそういうことあって
岳が知ったら殴るだけじゃ済まなそうだな。」
「私が藍子叩いただけで
私を殴ろうとした岳人だもんね。」
短気にもほどがあるよ、全く。


