居場所をください。




「帰るか。」


私がハヤシライスを完食したのをみて

貴也はすぐに立ち上がった。


「ごちそうさまでした。」


貴也はいつも私の分も払ってくれる。

最近は私の部屋に入り浸ってるから

余計に私にお金を出させなくなった。


「また二人でおいで。」


マスターは笑顔でそういい

私たちも笑顔で応えてお店を出た。



「マンション近いとやっぱ楽だね~。」


「だな。

ここがいちばんいいな。」


「セキュリティもしっかりしてるしね。」


そんな会話をしてエントランス到着。


「……………あれ?

鍵美鈴の部屋に忘れたかも…。」


「え、今気づいたの?」


「俺出るとき鍵使ってねーし…。

はぁ、しかたねーか。

とりいくわ。」


「じゃなきゃ貴也帰れないしね。」


なので私が鍵でドアを開けた。