居場所をください。




「私のCD発売日さ、いつも1日なの。

お母さんの誕生日は7月1日。

命日は11月1日。

次の新曲発売日は11月1日。

きっと社長が決めたんだろうな。」


「社長も未練がましいな。」


「あはは、ほんとだね。」


「美鈴はさ、社長恨んだりしねーの?

引き取ってくれれば…って。」


「全然。

理由とかわかんないけど

恨んだり離れたりはできない。」


「ちなみにさ、疑ったこととかねーの?

本当にこの人が父親?って。」


「ママは疑ったみたいよ。

長曽我部さんが実の兄ですっていったとき。

その時私の髪の毛と長曽我部さんの髪の毛で

DNA鑑定までしたんだって。

長曽我部さん怖いでしょ。

私の髪の毛勝手に少し切ったんだって。

切った髪の毛だと正確に鑑定できないから

何回か鑑定して、それで証明したんだってさ。」


「そこまでするか?」


「まー、そこまでしたから

私を引き取れたんだろうけどね。

養子縁組とかなしに。」


「なるほどな。」


「それにさ、やっぱ私長曽我部さんと

少し似てるところあるんだよね。」


「笑いかたはそっくりだな。

社長に。」


「でしょ。だからやっぱ兄妹なんだなーって思うよ。」