居場所をください。




それから母さんは支度を済ませて

実家によってから病院へ戻った。


「俺明日午後からだから

明日美鈴のCD持ってくるから。」


「ありがとう。」


「じゃあ俺行くな。」


「美鈴ちゃんによろしくね。」


「はいはい。」


10時……………すこしはやいけど

CDも買いに行かなきゃだし

俺は病室を出た。


「あ!貴也くん、ちょうどよかった。」


ん?


顔をあげるとそこには看護師と担当医。


「なんですか?」


「ちょっと時間あるかな。」


「…一時間半くらいありますけど。」


「じゃあちょっとこっちに。」


……………なんだろう…。





「ごめんね、急に。」


俺は医師とナースステーションの奥にある一室に入った。


「いえ。

あの、なんでしょう?」


「実はね、お母さんの状態

あんまりよくないんだ。」


「……………でもすごく元気に見えますけど…。」


「お母さんには話してあるんだけど

お母さん、今麻薬で痛みをとっているんだ。」


「麻薬?」

……………って大丈夫なのかよ…。


「医療用麻薬。法外な物ではないから

安心してね。

お母さんは治療もしない。

検査をすればするほど

悪い結果が出てくるんだ。」


「……………ということは…」


「あと半年だと思ってください。」


半年…。


「…年は越せない、ってことですね。」


なんだよ。

2年ってのはどうなったんだよ…。