居場所をください。




「いいじゃない。

そこまで家族を思える人はあんまりいないよ。

17歳って、その頃家族とか面倒だったりするじゃない。」


「でも兄だけですよ?

しかも父なんて父だなんて思っていないですし。」


「美鈴ちゃん、父親って知ったの最近なんでしょう?

それは無理ないよ。

もし私が今再婚したとしても

貴也だって父親だなんて思えないでしょうし。

美鈴ちゃんのお父さんもそこまで望んでないでしょう。


それに、親が子供に望むことなんて

そんなにないものよ。

そばにいれて、子供が幸せならそれでいいものなの。」


「そばに?」


「今はそばにいるんでしょ?」


「……………どうでしょう。

用がなければ会いません。」


「でもいつでも会えるんでしょう?

それだけでいいじゃない。」