居場所をください。




それから3人で飯を食った。

母さんは終始「美味しい、美味しい」と。


おかげで美鈴もかなりご機嫌だ。

もちろん、母さんも。

俺のことは無視して二人で盛り上がってるし。


まぁ普段から食べるときは喋らないけど。


「ごちそうさま。」


最後に母さんも食い終わり、美鈴は後片付けをする。


「美鈴ちゃんは若いのに

料理がすごい上手なんだね。」


「そんなことないですよ。

それに、1年前までは全然作れなくて

いつも作ってもらってばかりでした。」


「へぇ、それなのになんでこんなに?」


「…食べてもらいたい人ができたからです。」


美鈴がそういうと

母さんは明らかに表情を変えて

俺を見た。


「言っとくけど、俺じゃねーよ。」


「えぇ、そうなの?」


「ごめんなさい、貴也じゃないです。」


……………わかってたけど

改めて言われるとショック。


「あぁ、今は貴也のためでもあるよ?」


「はいはい、別にいいよ。」


おまけでも。