居場所をください。




「ごちそうさま。」


「おう。」


「じゃあ私帰るね。」


「は?泊まってかねーの?」


「だって寝る場所ないじゃん。

それにたまには親子二人でゆっくり話しなよ。」


……………親子二人…。

美鈴には酷だったかも。

親と過ごせない美鈴にとって

苦痛かもな…。


「わかった。

じゃあまた明日な。」


「うん。

お母さん、お休みなさい。」


「来てくれてありがとう。

ねぇ、また会えるかしら。」


「はい、ぜひ。」


「ありがとう。

じゃあまたね。」


「はい、またお会いできる日まで。」


そういって美鈴は出ていった。


「賢そうな子ね。」


「……………美鈴には親がいねーから

たぶん大人になるのが早かったんだろうな。

勉強もできるし。」


「礼儀もしっかりしてるし思いやりもある。

こんな素敵な手土産をくれるなんてね…。」


母さんはまた写真を見つめた。