居場所をください。




「貴也と離れて暮らしているので

普段私が隠し撮りしてる貴也の写真です。

貴也が気づいてないのもたくさんあって

どこにも載せていないものもたくさんあります。

よかったらどうぞ。」


「……………ありがとう。」


母さんの声は濡れていた。


「………いつ用意したんだよ。」


「長曽我部さんから聞いてすぐ。

写真はすぐプリントアウトできるよ。

便利な時代だよね。」


母さんは1枚1枚写真に写る俺をみていた。

真剣に。


「さてと、私はスープ食べよっかな。

まだ途中なの忘れてたよ。」


「美鈴。」


「ん?」


「ありがとな。」


「はは、あのくらい全然いいよ。」


あんなに撮ってたなんてな。

すげー枚数。