居場所をください。




「うわー、本物!

テレビで見るより可愛い!細い!」


「おい、母さん…」


挨拶くらいしろよ、美鈴がしてるんだから。


「かわいいお母さんだね。」


「どこが。」


「こら、貴也。

誰のことを言ってるのかな?」


…急に元気になりやがって…。


「美鈴、スープ飲む?」


「あ、うん。ありがとう。」


俺はキッチンにスープを取りに行った。


「貴也が料理なんてね~。」


母さんまだ言ってんのかよ。


「練習したみたいですよ。」


美鈴が適当に対応してくれるから助かるけど。


「美鈴ちゃんはよく食べるの?」


「私が遅くて貴也が早い日は

作って待っててくれる日もありますよ。」


「えー!貴也がそんな優しいなんて!!」


「母さんうるせーよ。近所迷惑。

美鈴、食えば?」


「ありがと。」


美鈴はダイニングへ移動してきた。


「うん、おいしい。

ありがと。」


「そ、よかった。」